質問

『私は大学院生ですが、ときどきモチベーションの維持が難しくなります。どうしたらいいでしょうか?』

回答

「研究者よ基準を高く」

今回は調べ物をしなければならない方々に向けてのアドバイスです。私も一応は「獣医学博士」ですから、頭脳労働で食べている(行きたい)方には頑張って欲しいです。で、そういう方からの相談を多く受けるようになってきたのですが、ほとんどのケースで
「もう少し自信をもって、基準をあげて欲しいなぁ~。」と思うことが多々あるため、ちょっと厳しめにお話しします。

なお、この数回は研究者に向けての話しになりますが、そうでない方にも、
情報を収集し→まとめ→発表する
ということをやっている(やりたい)方にもぜひ参考にしていただきたいと思います。で、読むときは、「私は研究者だ。」という思い込みをもちながらお読みになって下さい。「思い込み」が大事です。


私のこのメルマガを読んでいる方の中に、大学院生が結構いらっしゃるようです。というのも、よくご質問をいただくからです。
(個人の方へのメール相談はなかなか行えておらず、ごめんなさい。)
そして最近の講座にも、大学院修士課程または博士課程に在籍していて、学術論文を書く必要に迫られている方々が出席されることがよくあります。

そこで、論文を書かなければならないという方の話を伺っていると、「何でこんな基本的なことを担当教官や先輩に教えてもらっていないんだろう?というか、質問しないんだろうか?」と不思議に思うことが多くあります。

よくあるケースが、
●参考文献の読書量が少ない(数十本程度←こんな数で論文書けるの?)
●生命科学分野の研究をしているのに、英語の論文を読んだことがない(ありえない!)
●英語の論文が読めない(これも、生命科学の分野ではありえない!)
●参考文献をどうやって入手したらいいのか知らない(.........。)
というものです。


こういうことは、学部学生なら許されるかもしれません。しかし、大学院に進んだ人間がこんなレベルでは話になりません。ということを、指導教官や研究室の先輩に教えてもらえないことはある意味不幸なことであり、その不幸な大学院生がいっぱいいるということを現実に見ていますと、大学院教育の質に疑問を感じることが少なくありません。


でも、質問にいらっしゃる方は、決して能力がないわけではないんです。むしろ高い方です。そして、ほとんどの方がまじめな方で、
「このままでは良くないようだ。でも、何から手を着けたらいいのかわからない。だから、解決のヒントが欲しい。」

と、前向きだから応援したくなるのですが、肝心の所属研究室の雰囲気が「いいよ、いいよ、てきとうにやっとけば...。」という状態であることが多いようですね。だから流されちゃうのでしょうか?(それもどうかと思いますが...。)


「基準の高い」指導教官や、先輩の元で学ぶというのは、非常に有益なことです。私が在籍していた研究室は
「研究者は、世の中に質の高い論文を出してなんぼである。」
「論文を投稿するなら、読んでくれる人があまりいない、マイナーな雑誌に投稿しても意味がない!」
「基準を日本に置くな!基準は世界だ!」
「生命科学の共通言語は日本語ではない、英語だ!」

というところでしたので、提出書類も英語、実験手法の手順も英語、読む論文も、論文を書くのも全て英語でした。それが「当たり前だ」といわれて指導されたのです。

また、私の在籍していた研究室には、エデュケーション・プログラムというものがあって、実験のイロハから、文献検索・情報収集・整理法、コンピューターでの作図・グラフ作成・画像加工、プレゼンテーションソフトの使い方、スライドの作り方、等、すべて修了してからでないと、実験に入れさせてもらえませんでした。

あの頃、情報を大量に収集し、その分野の概要を把握し、まだ誰も手を着けていない分野を探し出し、状況をまとめ、それをプレゼンテーションし、実験やって、データまとめて、論文書いて、投稿するということをひたすらやらされました。もちろん「話にならん!」
と突っ返されたことも多々ありました。研究室に行きたくない...。そう思うことも少なからずありました。

でも、そういうトレーニングを受けた目で、現在、書店にあるビジネス書の情報収集ノウハウ本を読むと、「あぁ、あの方法でよかったんだぁ~。」と確認して安心することはあっても、「そんな方法があったんだぁ!」という目からうろこの方法はあまりありません。

きっとみんなやり切ると、同じ方向に落ち着くんでしょうね。ということに気付いたとき、「厳しかったけど、あのトレーニングを受けていて良かった。」と思えます。


ですから、これから大学院に進もうとしている方は、ぜひ厳しいといわれる研究室にもトライしてみてください。そこでの経験が必ず役に立ちますから。

そして現在大学院に在籍している方は、まず、「今日から私はインターナショナル・クラスだぁ!」と宣言してみてください。この勘違いというか、思い込みが大切です。

Q&A

講師紹介

獣医師・獣医学博士 1969年山形県生まれ 須崎動物病院院長

略 歴

獣医師・獣医学博士。1969年山形県生まれ。須崎動物病院院長。「薬を処方しない、手術しない、ワクチンを接種しない」方針で、食事療法や飼い主のメンタルケアなどを通してペットの体質改善を行う。ペットの手作り食に関する書籍は10万部を突破し、TV番組にもレギュラー出演。一方、元速読教室インストラクターという経歴を持ち、現在は総合学習力強化プログラム「シルバメソッド」の公認インストラクターとしても活躍中。メールマガジン「今日から出来る!集中力を高めるコツ」はまぐまぐ殿堂入り。集中力関連本としては、「ミス・ムダがゼロになる『集中力』」「5分間集中力トレーニング」、「勉強に集中する方法」を出版。2008年1月、ペット食育協会を設立。2008年4月より九州保健福祉大学 薬学部 動物生命薬科学科の客員教授に就任。

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